ウェブカメラを映し出す鏡

現在の農家保護と農地保全の政策は、随所に「醜い景観」をつくり出し、グローバル時代の自由貿易協定(FTA)の障害となり、農家や消費者を苦しめます。
農地の売買・保有を自由化して、集約化・法人化を進め、市場を介した効率化を追求することが、大きな問題解決につながると考えています。
最後に、日本はいまだにある種の「遅れ」を抱えているという課題です。
日本人が、「近代化」「都市化」の進むなかで、「街づくり」と同様に後回しにしてきたものが、「市民社会(=近代社会)」のルールづくりです。
その結果、今日の日本では市民社会のルールも未熟で、伝統社会の人情も薄くなってしまいました。
グローバル化する世界のなかで、日本がより住みやすい環境づくりを進めるためには、地域の自然と伝統を生かした国土利用、土地利用、そして「街づくり」をいかに実現していくかが最も肝心だと思います。
豊かな自然を生かした北海道のニセコ・倶知安町、下町情緒の漂う浅草、電器街が復活してきた秋葉原などでは、世界の各地から人々が集まり街は活気を取り戻しています。
皆で取り組む「街づくり」は、市民社会のルールの確立と伝統的なコミユニティーの復活を、同時に達成させる最も良い手段であり、良い目標になるのではないでしょうか。
「マネー」という時には、預金残高に流動性の高い上場株式や短期債券を加えたものを、「流動性の高い資産」の意味で指すこともあります。
ここでは、「マネー」という語は、貨幣・通貨と同義に使っています。
なお「マネー」自身も、手元の残高としては「金融資産」に数えられますが、本文の記述では別にしています。
話を簡略化するために、企業などの手元現金(紙幣と硬貨)の保有割合を無視しています。
「国民負債」には元本の変動する「株式・出資金」が含まれますが、金額的には一〇から二〇パーセント程度です。
日本の住宅流通(売買)市場は、諸外国に比べて著しく「新築」に偏っています。
アメリカやヨーロッパでは、住宅の売買件数は「新築」二〇から三〇パーセントに対して「中古」八〇から七〇パーセント前後ですが、日本ではいまだに中古の割合は一二から一三パーセントです。
三年前(二〇〇七)に通った東洋大学大学院で、公民連携専攻の主任教授を務める旧知の根本祐二氏から、昨年秋に東京大学の土地活用に携わるお話を紹介されました。
四〇年近く勤めた三井不動産を離れて転職を決意し、二〇一〇年の二月から母校の東京大学で本部職員となりました。
今では、資産管理部の特認専門員として、当面する土地・不動産の入替・処分などを進めるとともに、将来に向けてのアセット・マネジメントのあり方を職員の皆さんと日々一緒に考えています。
学生時代には、経済学部から大学院に進むつもりでした。
ところが大学紛争後、厳しくなった大学院の試験に落ちて、学士入学で一年を過ごすうちに気が変わり、一九七三年に就職しました。
経済に限らず、広く社会の仕組みにかかわる仕事がしたいと思い、銀行、商社、NTTなどをまわってみました。
しかし結局、なぜか落ち着く三井本館の雰囲気と、日本初の超高層ビル建設、臨海埋め立て、宅地造成といったダイナミックな事業のコントラストにひかれて三井不動産に入社したのです。
三井不動産の雰囲気と仕事は、私にはうってつけでした。
仕事をしながらずっと「社会の仕組み」と「人間」について、皆と議論をしながら考え続けてきました。
特に「土地の所有」という制度・概念については、それを巡る人間関係のなかで様々な場面に出会い、いろいろと勉強し考えさせられもしてきました。
私は基本的に自由と民主主義を信じています。
経済についても、できる限り自由な民間の営利活動に任せるべきだと考えています。
ただ最後に大事なものは、や人間相互の結びつきではないかと、本書を書きあげて改めて思いました。
あとがき近頃の日本では、隣近所で挨拶を交わすことも少なくなり、満員電車では奥の方から降りる時なども、全く無声のままでただ一生懸命に前の人を押して通ろうとするだけです。
「以心伝心」ならぬ「以身伝心」では、相手にはなかなかうまく伝わりません。
このような人間社会における当たり前の、「こんにちは」や、「降ります」、「すみません」といった基本的な声がけの習慣を積極的に育まない限り、世の中はますます住みづらいものになっていくのではないでしょうか。
まずは隣近所であいさつを交わすことから、住み良い「街づくり」をはじめませんか。
幸いに症状がそれほど悪化してなく、腫瘍のできている位置が除去しやすい部位だったので手術は成功し、家内は元気に退院することができた。
腕のいい医者、という確かな情報を得ることがどれほど困難か、このときばかりは痛感させられた。
少々の怪我くらいなら、近くの病院でも、また看板や電話帳を見て最害の病院に駆け込むこともできる。
しかし、生命に関わる手術が必要となるとそうはいかない。
万全の上にも万全を期して病院を決めないと悔いが残る。
そこでは安いからとか、高いからとかいう判断基準は問題外だった。
私は家内の病気を適して、リフォームという仕事において、わが社も誰からも信頼され、ロコ、、、で推薦してもらえる、そんな会社にしたいとつくづく思った。
百万言を費やした自己PRより、信頼できる友人や知人から一言「遊はいいよ」と言ってもらえることが、絶大な信頼を得るのである。
日々の一つ一つの仕事がいかに大切か、その積み重ねが信頼というかけがえのない財産を築く唯一の手立てであることを、今更のように教えられた。
京都の新進気鋭の大仏師、松本明慶師は寺院からできるだけ安く仏像を修理したいのだが、という相談を受けたとき、「なにもしないのが一番です」、と答えることにしておられるという。
中途半端な修理ならしないほうが良い、それが貴重な仏像であれば、お金には変えられないはず、というわけである。
言うまでもなく予算は大事である。
なにもお金を湯水のように使えというのではない。
しかし、何のための修理なのかを考えれば、その完成度を高めようと思えば(それだからこそ大仏師に相談をしたのだろう)それなりに費用がかかるのは当然である。
職人気質、といったら叱られるかもしれないが、師のような仕事をしておられる方は芸術家と似ている。
お金をいくら積まれても嫌な仕事はしない、という芸術家は少なくない。
逆にその仏像が気に入ればそれこそ精魂込めて、お金など意に介することなく仕事に没頭するのである。
それをとにかく安く、では完成度などはどうでも良いからといわんばかりである。
これでは師の良心が許さないであろうし、だいいち大仏師である師に対して失礼である。
私共も、及ばずながらリフォームという仕事に誇りを持ちたいと思う。
そして、施主の満足を何よりも大切にした仕事をし、その仕事に応じた正当な報酬を得たいと思う。
施主あってのわれわれであることは言うまでもないが、だからといって施主におもねるばかりでは信頼される仕事は出来ない。
社会が必要としない仕事や会社は存在を許されないのは市場主義経済では自明の理なのだから。
最近は新築のマンションでも自分の気に入ったようにリフォームしてから入居される方が多くなっている。
それだけリフォームの需要の裾野が広がってきている。
このこと自体は住まいをマイホームからマイフォームへ″と訴えてきた私にとっても嬉しいことなのだが、どうもそれがご多分に漏れずというか、業者主導になって横並びが進み、本来のマイフォームからはズレていっている。
そのことを心有る人たちに知っていただきたくて本書を書くことにした。
もとより苦手な執筆であり、表現の不味さや論旨の不明確さは隠しようがないが、わが意とするところを何がしかでもお汲み取りいただき、リフォームの視点の一つに『白遊設計』を加えていただければ幸いである。


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